今年は特に美しい紅葉と雪景色が見られ、JR北上線の魅力を再確認しました。地域と鉄道の連携があったからこそ、こうした自然の美しさを多くの人々に届けることができるのだと感じています。今後も持続可能な方法でローカル線を支えていくことが大切ですね。
秋田、岩手両県を結ぶJR北上線が15日、全線開通から100年の節目を迎える。山あいの紅葉や雪景色など四季折々の景色が楽しめるが、利用者はピーク時の約2割まで減少するなどローカル線を巡る現状は依然として厳しい。有識者は鉄道維持には地域との連携も不可欠だとしている。(熱田裕雅)
7日午前、横手駅ホームに1両編成の列車が滑り込んだ。快速の北上駅(岩手県北上市)行きだ。
姉と日帰り旅行をするという横手市のパート従業員女性(53)は「100周年と聞いたので乗ってみようと思った。いつも移動は車なので、きょうは紅葉や湖など車窓の景色を楽しみたい」と笑顔を見せ、列車に乗り込んだ。
北上線は1924年11月15日、横手駅と黒沢尻駅(現・北上駅)の頭文字を取って、「横黒線」の名で開通し、66年10月に現在の北上線に改称された。全国的にも珍しい温泉付きの駅舎「ほっとゆだ駅」(岩手県西和賀町)のほか、沿線では、鉱山跡を巡るトレッキング(最寄り駅・岩沢駅など)や錦秋湖(同・ゆだ錦秋湖駅)でカヌーなどを楽しめる。
ただ、97年の秋田新幹線開業や高速道路の整備などが進み、鉄道離れは加速している。
JR東日本によると、北上線の平均通過人員(1キロあたりの1日の利用者数)は92年度の1157人をピークに減少傾向で、昨年度は77%減の266人に落ち込んだ。21~22年度に約14億~15億円だった赤字額も昨年度は16億円を超えた。
こうした危機感から昨年11月、無料乗車キャンペーンが行われ、配布初日に用意した5000枚の無料乗車票が即日でなくなるなど潜在的な需要は確認された。
今後は日常的な利用者をどう増やすかが課題で、キャンペーンを企画したJR東日本や沿線3自治体などでつくるJR北上線利用促進協議会の担当者は「沿線地域の人口が減少する中で、利用を増やすのは厳しい。沿線の観光需要の掘り起こしを進め、利用者増加につなげていきたい」と話す。
公共交通に詳しい関西大の宇都宮 浄人(きよひと) 教授(交通経済学)は「鉄道は車と比べ、大量輸送が可能で正確な時刻で運行し、渋滞や交通事故のリスクを減らせる信頼ある輸送機関」と強調する。その上で、「JR単独での鉄道維持には限界が来ている。地域も一緒になって支え、持続可能な街づくりを進めるためのツールとして、鉄道のあり方を考えることが大切」と指摘する。
◆ JR北上線 =JR横手駅と北上駅間を結ぶ全長61・1キロ・メートルの路線。秋田県内の横手、相野々、小松川、黒沢の4駅を含め計15駅ある。横手から北上駅までの所要時間は約1時間20分。
秋田、岩手両県を結ぶJR北上線が15日、全線開通から100年の節目を迎える。山あいの紅葉や雪景色など四季折々の景色が楽しめるが、利用者はピーク時の約2割まで減少するなどローカル線を巡る現状は依然として厳しい。有識者は鉄道維持には地域との連携も不可欠だとしている。(熱田裕雅)
7日午前、横手駅ホームに1両編成の列車が滑り込んだ。快速の北上駅(岩手県北上市)行きだ。
姉と日帰り旅行をするという横手市のパート従業員女性(53)は「100周年と聞いたので乗ってみようと思った。いつも移動は車なので、きょうは紅葉や湖など車窓の景色を楽しみたい」と笑顔を見せ、列車に乗り込んだ。
北上線は1924年11月15日、横手駅と黒沢尻駅(現・北上駅)の頭文字を取って、「横黒線」の名で開通し、66年10月に現在の北上線に改称された。全国的にも珍しい温泉付きの駅舎「ほっとゆだ駅」(岩手県西和賀町)のほか、沿線では、鉱山跡を巡るトレッキング(最寄り駅・岩沢駅など)や錦秋湖(同・ゆだ錦秋湖駅)でカヌーなどを楽しめる。
ただ、97年の秋田新幹線開業や高速道路の整備などが進み、鉄道離れは加速している。
JR東日本によると、北上線の平均通過人員(1キロあたりの1日の利用者数)は92年度の1157人をピークに減少傾向で、昨年度は77%減の266人に落ち込んだ。21~22年度に約14億~15億円だった赤字額も昨年度は16億円を超えた。
こうした危機感から昨年11月、無料乗車キャンペーンが行われ、配布初日に用意した5000枚の無料乗車票が即日でなくなるなど潜在的な需要は確認された。
今後は日常的な利用者をどう増やすかが課題で、キャンペーンを企画したJR東日本や沿線3自治体などでつくるJR北上線利用促進協議会の担当者は「沿線地域の人口が減少する中で、利用を増やすのは厳しい。沿線の観光需要の掘り起こしを進め、利用者増加につなげていきたい」と話す。
公共交通に詳しい関西大の宇都宮 浄人(きよひと) 教授(交通経済学)は「鉄道は車と比べ、大量輸送が可能で正確な時刻で運行し、渋滞や交通事故のリスクを減らせる信頼ある輸送機関」と強調する。その上で、「JR単独での鉄道維持には限界が来ている。地域も一緒になって支え、持続可能な街づくりを進めるためのツールとして、鉄道のあり方を考えることが大切」と指摘する。
◆ JR北上線 =JR横手駅と北上駅間を結ぶ全長61・1キロ・メートルの路線。秋田県内の横手、相野々、小松川、黒沢の4駅を含め計15駅ある。横手から北上駅までの所要時間は約1時間20分。
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(出典 @Yomiuri_Online)
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たびい
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