首都直下型地震は避けられないリスクですが、適切な対策を講じることで命を守ることができると専門家も言っています。何かしらの非常用の袋や飲料水、食料を用意しておくことは重要ですね。
首都直下地震対策検討ワーキンググループでは、最新の科学的知見に基づく地震モデルの検討結果を踏まえ、これまで首都直下地震対策の対象としてこなかった相模トラフ沿いの大規模地震も含め、様々な地震を検討対象としました。
また、これまでの被害想定のように単に人的・物的被害等の定量的な想定をするだけでなく、防災減災対策の検討に活かすことに主眼を置き、それぞれの被害が発生した場合の被災地の状況について、時間経過を踏まえ、相互に関連して発生しうる事象に関して、対策実施の困難性も含めて、より現実的な想定を行いました。なお、防災・減災対策の対象とする地震は、被害が大きく首都中枢機能への影響が大きいと考えられる都心南部直下地震(Mw7.3)を防災対策の主眼としています。
被害想定(人的・物的被害)の概要
1.地震の揺れによる被害
(1)揺れによる全壊家屋:約175000棟 建物倒壊による死者:最大 約11000人
(2)揺れによる建物被害に伴う要救助者:最大 約72000人
2.市街地火災の多発と延焼
(1)焼失: 最大 約412000棟、建物倒壊等と合わせ最大 約610000棟
(2)死者: 最大 約 16000人、建物倒壊等と合わせ最大 約 23000人
3.インフラ・ライフライン等の被害と様相
(1)電力:発災直後は約5割の地域で停電。1週間以上不安定な状況が続く。
(2)通信:固定電話・携帯電話とも、輻輳のため、9割の通話規制が1日以上継続。メールは遅配が生じる可能性。
(3)上下水道:都区部で約5割が断水。約1割で下水道の使用ができない。
(4)交通:地下鉄は1週間、私鉄・在来線は1か月程度、開通までに時間を要する可能性。
主要路線の道路啓開には、少なくとも1~2日を要し、その後、緊急交通路として使用。
都区部の一般道はガレキによる狭小、放置車両等の発生で深刻な交通麻痺が発生。
(5)港湾:非耐震岸壁では、多くの施設で機能が確保できなくなり、復旧には数か月を要する。
(6)燃料:油槽所・製油所において備蓄はあるものの、タンクローリーの不足、深刻な交通渋滞等により、非常用発電用の重油を含め、軽油、ガソリン等の消費者への供給が困難となる。
4.経済的被害
(1)建物等の直接被害:約47兆円
(2)生産・サービス低下の被害:約48兆円 合計:約95兆円
対策の方向性
1.事前防災
中枢機能の確保、被害の絶対量の軽減の観点から下記の課題に関する対策を中心にとりまとめています。
(1)首都中枢機能の継続性の確保
政府全体としての業務継続体制の構築、情報収集・集約、発信体制の強化、金融決済機能等の継続性の確保、企業の事業継続のための備え等
(2)建築物、施設の耐震化等の推進
M7クラスの地震は、どこが震源となるかはわからないため、首都圏全般での耐震化を推進する
(3)火災対策
出火防止対策として、感震ブレーカー等の普及を促進する
(4)2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた対応
外国人観光客を迎えるにあたり、様々な手段による防災情報の伝達等について早急に対策を講じる
2.発災時の対応への備え
被災地の状況について発災直後からの時間経過を踏まえ、相互に関連して発生しうる事象に関して、下記の通り分類し、より現実的な想定を行っています。
(1)発災直後の対応(概ね10時間)── 国の存亡に係る初動
災害緊急事態の布告、災害応急対策実施体制の構築、交通制御、企業の事業継続性の確保等
(2)発災からの初期対応(概ね100時間)── 命を救う
救命救助活動、火災対策(初期消火、火災情報の発信)、治安対策等
(3)初期対応以降 ──生存者の生活確保と復旧
被災者、災害時要配慮者への対応、避難所不足等の対策、計画停電の混乱の 回避。
首都直下地震対策検討ワーキンググループでは、最新の科学的知見に基づく地震モデルの検討結果を踏まえ、これまで首都直下地震対策の対象としてこなかった相模トラフ沿いの大規模地震も含め、様々な地震を検討対象としました。
また、これまでの被害想定のように単に人的・物的被害等の定量的な想定をするだけでなく、防災減災対策の検討に活かすことに主眼を置き、それぞれの被害が発生した場合の被災地の状況について、時間経過を踏まえ、相互に関連して発生しうる事象に関して、対策実施の困難性も含めて、より現実的な想定を行いました。なお、防災・減災対策の対象とする地震は、被害が大きく首都中枢機能への影響が大きいと考えられる都心南部直下地震(Mw7.3)を防災対策の主眼としています。
被害想定(人的・物的被害)の概要
1.地震の揺れによる被害
(1)揺れによる全壊家屋:約175000棟 建物倒壊による死者:最大 約11000人
(2)揺れによる建物被害に伴う要救助者:最大 約72000人
2.市街地火災の多発と延焼
(1)焼失: 最大 約412000棟、建物倒壊等と合わせ最大 約610000棟
(2)死者: 最大 約 16000人、建物倒壊等と合わせ最大 約 23000人
3.インフラ・ライフライン等の被害と様相
(1)電力:発災直後は約5割の地域で停電。1週間以上不安定な状況が続く。
(2)通信:固定電話・携帯電話とも、輻輳のため、9割の通話規制が1日以上継続。メールは遅配が生じる可能性。
(3)上下水道:都区部で約5割が断水。約1割で下水道の使用ができない。
(4)交通:地下鉄は1週間、私鉄・在来線は1か月程度、開通までに時間を要する可能性。
主要路線の道路啓開には、少なくとも1~2日を要し、その後、緊急交通路として使用。
都区部の一般道はガレキによる狭小、放置車両等の発生で深刻な交通麻痺が発生。
(5)港湾:非耐震岸壁では、多くの施設で機能が確保できなくなり、復旧には数か月を要する。
(6)燃料:油槽所・製油所において備蓄はあるものの、タンクローリーの不足、深刻な交通渋滞等により、非常用発電用の重油を含め、軽油、ガソリン等の消費者への供給が困難となる。
4.経済的被害
(1)建物等の直接被害:約47兆円
(2)生産・サービス低下の被害:約48兆円 合計:約95兆円
対策の方向性
1.事前防災
中枢機能の確保、被害の絶対量の軽減の観点から下記の課題に関する対策を中心にとりまとめています。
(1)首都中枢機能の継続性の確保
政府全体としての業務継続体制の構築、情報収集・集約、発信体制の強化、金融決済機能等の継続性の確保、企業の事業継続のための備え等
(2)建築物、施設の耐震化等の推進
M7クラスの地震は、どこが震源となるかはわからないため、首都圏全般での耐震化を推進する
(3)火災対策
出火防止対策として、感震ブレーカー等の普及を促進する
(4)2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた対応
外国人観光客を迎えるにあたり、様々な手段による防災情報の伝達等について早急に対策を講じる
2.発災時の対応への備え
被災地の状況について発災直後からの時間経過を踏まえ、相互に関連して発生しうる事象に関して、下記の通り分類し、より現実的な想定を行っています。
(1)発災直後の対応(概ね10時間)── 国の存亡に係る初動
災害緊急事態の布告、災害応急対策実施体制の構築、交通制御、企業の事業継続性の確保等
(2)発災からの初期対応(概ね100時間)── 命を救う
救命救助活動、火災対策(初期消火、火災情報の発信)、治安対策等
(3)初期対応以降 ──生存者の生活確保と復旧
被災者、災害時要配慮者への対応、避難所不足等の対策、計画停電の混乱の 回避。
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